歴代ランキング

順位 事件名
(時期)
概要
暴力団不正融資・政界ヤミ献金事件(東京佐川急便事件)

(1980年代前半~1990年代前半)
後に首相となる政治家・竹下登が、暴力団稲川会系の右翼団体「日本皇民党」から街宣車で嫌がらせを受けていた。 これを解決すべく、当時、東京佐川急便の社長だった渡辺広康が一役買った。 渡辺はこの後、稲川会系の関連会社に巨額の融資を相次いで指示するが、バブル崩壊とともに返済が滞り、東京佐川は巨額の負債を抱えた。 渡辺広康ら東京佐川の幹部は全員解雇され、信託義務違反の容疑で起訴された。 さらに、東京佐川から自民党の最高実力者の一人、金丸信へ5億円の政治献金が行われていたことも発覚。他の政治家へのヤミ献金疑惑も浮上した。
奈良佐川の賄賂・放火事件(奈良県警汚職事件)

(2001年)
奈良県警の警察官が、奈良佐川急便から約2330万円の賄賂(わいろ)を受け取ったとして、2001年に摘発(書類送検)された。 警察官は交通担当が長く、ランクの高い警視だった、 交通違反のもみ消しや暴力団とのトラブル解決などが賄賂の目的だったと見られていた。 本件の捜査が本格化しようとする段階で、摘発されていた警視が車の中で焼死体で見つかった。 遺書はあったものの、焼身自殺を装った他殺ではないか、との観測が出た。 一方、この事件が表面化する前に、大和郡山市にある奈良佐川の事務所が放火により全焼していた。 この放火によって、金の流れを示す帳簿類が焼失した。 放火に暴力団が関与した可能性があるとして捜査されたが、犯人は捕まらなかった。 主犯の焼死と、書類の焼失により、汚職事件も解明されないまま捜査が終結した。 なお、奈良佐川の経理担当社員の女性は、警察からの事情聴取を受けた後に死亡した。 こちらも「自殺」として扱われている。 奈良佐川急便は2006年3月、破産した。 汚職事件が大きなダメージとなった。 なお、奈良佐川急便は、佐川急便と長らく提携していたが、会社としては別組織であった。
従業員が荷物を投げる事件

(2016年)
佐川急便の配達員が、荷物や台車を地面にたたきつけたり、蹴ったりする動画がYouTube上に投稿された。 佐川急便は、正社員の男性が行った行為であると認め、謝罪。従業員へのモラル教育を徹底し、再発防止に努めるとした。
不法駐車の身代わり出頭事件

(2017年)
配達中のトラックが駐車違反となった場合に、違反となった運転手に代わって、知人らを身代わりに出頭させていた事件。 違反を受けると、運転業務をしない「下車勤(げしゃきん)」になることがあり、現場の仕事が回らなくなる、評価が下がるなどの理由で、身代わりが行われていた。 東京都内の城南(品川区)、城北(板橋区)、東京(江東区)、渋谷などの9つの営業所で行われていた。 警視庁から逮捕・書類送検などの摘発を受けた社員らの人数は100人以上にのぼった。
ブルガリ高級時計窃盗事件

(2008年)
世界で限定25個のブルガリの高級時計「アショーマ トゥールビヨン」1個を、集配中に荷物から抜き取ったとして、佐川急便徳島支店の社員が窃盗容疑で逮捕された。 時計は1個1800万円相当。 徳島店内の時計店が展示用にブルガリ・ジャパンから借りており、返却するところので犯行だった。 容疑者が腕時計を着用していたため、犯行が発覚。容疑者は試用期間中だったが、懲戒解雇となった。
クール便の温度管理不備問題

(2013年)
冷凍、冷蔵品を扱う「飛脚クール便」で、常温で配達するなど温度管理に不備があった。佐川急便によると、2013年上期(3月21日~9月20日)のクール便の賠償件数3,674件のうち、温度上昇によるものは891件。 原因は、運用未徹底、人為的ミスが最も多く、温度帯の間違いや保管不備が多かった。


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